誘惑のクラン(血族)

心配そうな色をグレーの瞳に宿らせて自分を見ている優真は、璃子が想像していたヴァンパイアとは想像をかけ離れている。


その表情や、今までを思い返しても、自分たちを襲うつもりはないことがわかる。


襲うつもりなら、最初の日に襲われていただろう。


襲う……。


璃子は美菜を思い出した。


「美菜は!?」


優真の肩の先――美菜が倒れていたカウンターを見る。


優真の切れ長の目が、驚きで見開かれた。


呼びかける前に香織が起こした出来事はなかったと、璃子の記憶を操作したはずなのだが。