「羨ましいわ。私は紫外線に弱くて、日に当たると肌が腫れ上がってしまうの。だから出かける時は太陽が落ちてから。思いっきり日差しの中を歩きたいわ」


璃子は香織の肌の白さに納得した。


「お兄様、今日は素敵な気分。こんなに可愛い人とお話が出来たせいよ」


無邪気な姿が実は違うことを知っている優真は頷いただけだ。


妹の性格は知り過ぎているほど知っている。


内心は璃子や美菜の血を喉から手が出るほど欲しがっているだろう。


楽しそうに香織は璃子のことをなんでも聞きたがった。


しばらくして娯楽室から碧羽と美菜が戻って来た。


碧羽は腹違いの姉の香織を見ても驚かなかったが、美菜は絶句したような顔になった。


やはり璃子と同じに、緊張しているみたいだ。