「璃子ちゃん、妹の香織だ」


そっけないと思えるほどの言い方だった。


見惚れるくらいの美貌をもつ目の前の女性に、璃子は自分が恥ずかしくなり頬を赤らめお辞儀をする。


「お、お邪魔しています。大沢 璃子と申します」


「香織です。お車が故障されたとか? 気を楽にして過ごしてくださいね?」


優真が話していないことを香織が知っているのは、この屋敷に通じる者に報告させているのだろう。


「ありがとうございます。突然のことなのに、良くしていただいて感謝しています」


香織の美貌と丁寧な口調に、璃子は緊張して声が上ずりそうだった。