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バッと後ろから追ってくる衛兵に見えないように老人に赤子を渡す。

「本当にどうかよろしくお願い・・・」
「もう逃がさんぞ!堪忍しろ!」

老人は気押しされたか赤子を受け取りすぐさま背に隠す。

女性は三人くらいの衛兵により身柄を拘束されていてもう抗う気はないようだった。

「先に連れていけ。」
「はっ!」

上官そうなやつと衛兵二人くらいが場にのこり、その他の衛兵は女性をどこかに連れて行っていた。


「さて・・・」
上官らしきものは老人に向かって質問をする。


「あの女は赤子を抱いていたと思うのだがお前は知らないのか?」
「知りませんなぁ。なんせ、わしは匿ってくれと頼まれただけじゃしのぉ」
「そうか」
上官そうなやつは背を向けたかと思うとすぐに踵をかえし老人の喉元に剣をちらつかせるように構える。

「じゃあ、後ろの赤子は何だ?」

しかし、老人は怯むことなく真っ直ぐその者の目を見ながら言った。

「あぁ こいつはわしの孫でな。泣き止まんからちょっと外にな」

外は雨が降っているし、まぁ見え見えの嘘ではあった。

上官らしき人は顔で部下らしき人の二人に合図して二人も武器を持つ。

「悪いな。じいさん・・死んでもらうぞ!」
「まだ死にたくはないのぉ。」
老人には何故か焦りというものが無かった。

少し戸惑いながらも三人は老人に襲いかかろうとした

・・・刹那

ザシッ グシャ ザク

気付いたら上官衛兵は倒れていた。

「!?」

目の前には背を向けて顔は見えないが体には不釣り合いなほど大きな鎌をもった少女の姿がそこにはあった。