魔王と女神のシンフォニア

―――チュンチュン

「う―――ん」
どうやら朝のようだ。
アリス・レーベルはベッドで上半身をお越し背伸びをする。

「あら?」
布団をきちんとかけて寝ている。もしかして差義理さんがかけてくれたのでしょうか。お礼を言おうと思い横のベッドに目を移す。

しかし、ベッドにはもう歩の姿はなかった。
寮の朝食迄は8時からで現在は6時半。
まだまだ時間もあるし、結構早起きな方なのかしら。そんな疑問が頭をよぎりながら寝癖を直そうと浴室に一緒にある洗面所へと足を進める。

母に憧れて髪を伸ばしているのだが、なかなかに手入れに時間がかかる。
手入れの時間などを考慮していると家で生活している時もいつもこの時間帯に起きるのが習慣のようなものになっていた。

「フン フン フン♪」
鼻歌まじりに髪をとく。なんだかんだ朝早く起きるというのは気持ちいし、悪くはないものなのだ。気分も何故か晴れやかなものにもなる。


ガコッ
「ひゃ!?」
浴室から突然音が聞こえてビクッとなる。

浴室には明かりもついておらず特にシャワーの音も聞こえない。

「誰か・・誰かいらっしゃるのですか?」
勇気をだして浴室に向かって声をかける。

・・・・反応がない。
思いきって浴室のドアを開けることにした。


バンッ

恐る恐る目を開ける。

「いゃぁぁぁぁ」

その場には想像を絶する場面が展開されていた。
歩が・・・

「差義理さん大丈夫ですか!?」
アリスはすぐ歩のところに駆け寄る。


浴槽で・・・

「許して・・ムニャ 許してください・・ムニャムニャ」

倒れて寝ていたのだ。

とりあえず息があることにアリスはほっとする。
しかし、この状況どうしたものでしょうか。

これからの対応に困るアリス・レーベル。