魔王と女神のシンフォニア

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はっ!?
少し昔にタイムスリップしてしまったみたいだ。

「まぁ チャンスだと思って勘弁して。どうせ今日だけだし。」
藍香はとても楽しそうだ。

謝らなければ!
歩の頭の中には闇の掟第一条しかなく、とりあえず寮長にお礼をいい、その場を後にした。

「まぁ ほどほどにさっさと寝なさいよ~。ニシシッ」

後ろからそんな言葉が聞こえたが今はそんなところではない。


自分の部屋の前に戻る。
深く深呼吸をして、決心を固めて部屋に入る。

「あっ あの!」
しっ しまった。どう謝るか全く考えてなかった。もう一度外に出るべきかいやしかし。


相手からの反応がないのでゆっくりと力んでつぶっていた目をゆっくり開く。

「すぅぅぅzzz」

アリスはベッドの上で横になり、規則正しい寝音をたてながら寝ていた。

よくよく考えると今日は学園初日なのだ、気疲れなども多少あったであろう。

アリスの寝顔を見ていると歩もどっと体が重くなる。今日一日休む暇などなかったことを思い出す。

「僕も速く寝よう」
明日もあるし、何より疲れた。
アリスが布団を羽織ってないので布団をかけてあげる。

まるで神秘、例えるなら女神が寝ているのではないか。そう思った。


ブンブンブン
雑念を振り払うように頭をふり、寝る前にどう謝るか少し考えてから寝ることにした。