魔王と女神のシンフォニア

はぁ 結局何も言えなかったなぁ。
林間学校の自分の部屋でアリス・レーベルは日記を書きながら思う。

歩との朝の一件があって以来、歩とまともに話していない。自分らしくもないとは思うがどうも彼のことになると自分らしくいられなくなるのだ。

だいたい、彼のせいなのだ。学園の初めての友人は私の筈なのに、アリスさん、アリスさんって。ルビィやフェリスはそのまま呼ぶくせに!


ふとそんなことを考えていたので、フルフルと頭をふる。

もう寝よう。きっと疲れているんだ。

林間学校の寝室は一人一部屋で今の自分にはゆっくり休める最高の状況だった。

ベッドに体を預けて枕に顔を埋める。
そんなとき、

コンコンコンコンコンコン!

部屋の扉をノックする音が聞こえた。