奇病―。
三年前に唐突に流行したそれは、多くの子供達の命を…
砂にしていった。
今分かっているのは、
有効な治療法がないこと。
死亡率が98%であること。
感染者がみな16歳以下の子供であること。
感染経路も、原因も分からない。
住民達はただ、恐怖に怯えるだけだ。
このおかげで、出生率がかなり下がった。
子供が半数に減り、若い人達は怖がられる。
孤児の数は一挙に増えた。
感染のおそれがある子供、感染した子供。
多くの子供達が孤児院の前に捨てられていった。
空気感染をしたという話はない。
隔離しなきゃいけないルールもない。
大人の発症例もない。
それでも、大人達は、自分の子供を捨てるのだ。
そんな大人達をレイは許せない、と思う。
まだ、大人とは言い難い年齢のレイだ。
大人には大人の事情があると言われてしまえば何も言えない。
それでも、やっぱり。
親を持たない子供としては、
そんな、子を捨てるような大人達を許せないのだ。



