砂の城


「お疲れ様」

ネムは湯気のたつマグカップをレイに差し出す。

「ありがとう」
涙に濡れる顔で笑うレイに、ネムは心が締め付けられる。

「無理しないで。辛いときは泣いていいんだから」

レイは黙って微笑むだけ。

「片付けはやっておくから、もう帰りなさい。夜が明けるよ」

カーテンの隙間からは白ばみ出した空が見える。

「ありがとう。でも、ごめんなさい。始業までに終わらせるから最後までやらせて」

白い砂。
レイはそれを自分の手でかき集め、小さい硝子瓶に詰める。