「シオンちゃーん、お父様から何もらってきたのー?」
「汚らわしい妾の娘が、また体を売ってきたのかー」


うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい





「おい女。酒!早く持ってこい!」

「…ねぇ」

小刻みに震えるシオンの体。
怒りか、それとも恐怖なのか。

「なんだ?なんか言ったか?」

「俺は、女じゃねぇ!!」

途端、ぶわっと波のように笑いが起こる。

「女じゃないんなら、なんだってんだよ!?」

男だっていうのか、え?

痩せた、ニワトリのような男が、嘲るように聞いた。

「俺は、シオンだ!おまえらに尻尾振るようなバカ女なんかじゃねぇ!!」