「レイー遊ぼー」
子供達の元気な声がその場の空気を変える。

「ごめんね、まだ仕事あるから。また後でね」

「えー!!じゃあ、ハナカ遊ぼー」

ハナカは困ったように笑う。
「うーん、何をするの?」

ハナカは強い。
子供達に、不安や恐怖をさとらせないように、
決して笑みを絶やさない。

「鬼ごっこー」
「えー、ドロケイがいいー」
「またぁー?」


「ねぇ、みんな。お部屋でできる遊びは?」
止まらない子供達にレイが口を挟む。

「えー?!」


「おい、ガキども。トランプすっぞ」
トランプ片手に部屋に来たサキは、荒い口調でそう言った。

「トランプー」
「スピードー」
「バハヌキー」
「大富豪ー」

「ハナカは?」
サキがハナカにふる。
「…、7並べ」
わぁい、と子供達は円になり、カードを配り出す。
「…サキ、ありがと」
レイが部屋を出るとき、ハナカの声が小さく届いた。