「サキ」
レイの静かな声音にサキはびくりとする。
「ありがとう。でも、叩いちゃだめ」
「レイ…ミナはさ、星見れた?」
「…ッ!ええ…、どうして」
知ってるの?
なぜだろう。そう聞けなかった。
サキの悲しそうな顔。
「レイ、俺は海がいい。だから…」
「サキ?」
いつも元気なサキが、なぜかいいよどむ。
「サキ、あなた…」
発症したの…?
「なんでもないよ。だけど、俺は海に行きたい。レイと」
「サキ」
サキー!こっち来いよー!!
サキよりも年少の子供達の声。
「おう!じゃ、レイ。俺行くから」
「また、なの…?」