お姫さまには王子さまがいないとっ!

廊下を歩いているといろんな人達の声が聞こえる。


「お、東堂だ。かっわいー!」

「隣にいるメガネ誰だ?」

「なんで、あんな根暗そうな奴が東堂の隣歩いてるんだよっ!」

「本当だよな。邪魔だっつーの。」


はぁ?邪魔って…あんた達のほうが邪魔なのに。


「あんたた……んぐっ」


文句を言おうとしたら間宮くんに口を塞がれた。


きゃー!!口に、口に手がー!!っと思ったのも束の間。そのままズルズルと間宮くんにひきずられていった。

うっ、さすがに苦しいです。間宮くんのカーディガンの裾を「苦しい」の意味を込めて引っ張る。


「あ…ご、ごめん!苦しかったよね?」

「ん…、ぅん。ちょっとだけ…」