*2‐B*

「おはよう!淳平」

机に顔を伏せている淳平の肩を軽くたたきながら
いつもどおり声をかける。

(・・・起きてるのかな??)

「ん・・・星那?おはよぉ・・おやすみ・・・」

「はいはい。おやすみ。」

ふう。とため息をついて
自分の席に座る。
私の席はずっと憧れていた
窓側のいちばんうしろの席だ。

窓から外を見ると
校門が見える。

あ!
学校1の不良男子と言われている
望月 空琉(もちずき そらる)

みんな怖いって言っているが
私はそうでもないとおもう。
確かに柄は悪いが、中身はすごく優しいと思う。

そう思う理由は・・・わからないけど。


「せっちゃん!おはよう*」

ガタッ
前の席の
田中 優子(たなか あつこ)
通称:あっちゃん

「おはよう!あっちゃん」

「何みてたの?」

「え!?・・・ちょ、ちょっと外見てたの;」

なぜか望月君を見ていた。というのが言いづらくて
嘘をついてしまった。

「ふーん、そっか。気分落ち着くもんね」

「そうそう。なんか外みてたら気分落ち着くんだよね。あはは・・・」

挙動不審・・・かな?

「なんか今日せっちゃんおか―――」

キーンコーンカーンコーン

あっちゃんの声を遮ったのは
HRを始めるチャイムだった。

「席付けよー」

あっちゃんが何を言おうとしたのかは気になるけど。

これから
1日が始まる。

とても・・・長い一日が・・・。