よみかけの本の続きは
浴槽の中で進んだはずなのに
布団にくるまる頃には
もう、覚えていない。

無意識にふっと笑いがこみ上げる。
そのつぎの瞬間、
声にできない心の悲鳴が
涙になって溢れ出した。
そこに想いはなく、
ただ、ただ、泣くだけだった。



どのくらいそうしていたのかは
わからない。


気がつけば絵に書いたように
朝だった。
地球はいつもと同じように
回っている。