空より青い

「ここは、Xを代入して・・・・そうそう。」


「なるほど・・・うん、分かった。」


僕の家で勉強合宿をして4時間。僕は必死になって勉強を教えてもらっている。竜二は教えるのがとても上手く、僕の頭はドンドンレベルアップしている気がする。


「お前は飲み込みが早いから、良い線行くかもな。」


「あはは、そうだと良いね。」


僕と竜二は、勉強合宿の名に恥無い活動をしている気がする。


「ねえ、この週刊「日曜」って何曜日発売だっけ?」


「羽合・・お前、もう帰れよ!」


羽合は、俺の家に着くと勉強をせずに、こうしてマンガを読んでいる。まあ、それは良いんだけど僕の集中力を乱さなければ。


「ほら、明後日からテストだぞ!追い込まないと!」


僕と竜二の2人はテスト前日まで必死に勉強して、ついにテスト当日。僕は今まで培ってきた知識を総動員したが、一問も解けなかった。連日の勉強漬けがダメだったのか、僕は体調を崩し、初日から寝込んでいる。


「はぁ・・・終わった。何もかも。」


これで僕と彼女は別れて、この物語は終わるのだ。何というバッドエンド。


「うわぁ・・・もう死にたい」


本気で首を吊ろうかと考えた時、インターホンが僕を呼び止めた。


「誰だろこんな時間に・・・。」


今は午前9時、ちょうどテストが始まった時間だ。僕はのそのそと玄関のドアを開けたぐはぁ瞬間に殴られた。え?強盗?


「貴方、大事なテストの日に何?サボりなの?」


遠野江さんが玄関の前で仁王立ちしていた。