空より青い

「え？あれ？なんでここに？」


彼女は不機嫌そうに眉をひそめて尻餅をついた僕を見下ろしている。


「貴方がテストの合間に無駄知識を頭に入れているのを眺めて馬鹿にしてあげようと思ったら、休んでるって貴方のクラスメイトが言ってたから。」


「心配して来てくれたの！？」


「私との約束を破って学校を休むなんて死刑ね。というか私が執行してやるわって意気込みで来たのだけれど、貴方どうしたの？顔が悪いわよ？」


「顔色が悪いじゃなくて？」


「ええ、顔が悪いわよ。」


彼女は不機嫌そうな顔を崩さず、ズンズンと僕の家に上がっていった。


「ああ、待って。掃除してないから。」


僕がそう言うと、彼女は僕の部屋を見回しながら


「ゴミ袋は何処にあるの？」


と聞いてきた。僕がゴミ袋を渡すと、彼女は次々とマンガをゴミ袋に入れていった。


「ええ！？何してるの？」


「何って、掃除してあげてるのよ。要らないでしょ？」


と彼女は有無を言わさずに掃除を続けた。その間、僕は部屋の端に座ってマンガ達の凄惨な最期を見届けた。まあ、彼女に捨てられるならマンガ達も本望だろう。


「さて、スッキリしたわね。それで？貴方、一体どうして休んだの？」


彼女はきっと、これを聞きたかったのだろう。


「ねえ、私との約束を破ってまで学校を休んだんでしょう？一体どういう理由なのかしらねぇ？」


彼女はニヤニヤしながら僕を問い詰めてくる。


「 えっと、体調崩しちゃって・・・ごめん。」