陽が上がってきて私たちをガンガンに照らす。

さっきまで静かだった商店街もにぎやかになっていく・・。

そんな周りとは裏腹に私たちの表情は真っ暗だ。

自分の過去をすべて話した私・・。

誰も口を聞こうとしない・・。

息苦しくってこの場から立ち去りたいって・・そんな思いで胸がつぶれそう・・。

もう一生・・私の胸の中におさめてしまって・・誰にも話さない、話せない・・そう思ってた。

こんなこと話したくなかった・・・。

きっと絶対に軽蔑されてる・・沙都にも・・先生にも・・。

大好きだった・・憎むべき人に侮辱されて・・。

「あ・・すか・・」

「沙都・・」

それでも一番に口を開いてくれたのは親友の沙都だった。

「あす・・あすか・・」

沙都は綺麗な瞳にいっぱい涙をためて私に近寄り、そして抱きしめてくれた。

「沙都・・」

精いっぱい・・沙都は私を優しく抱きしめてくれた。

「あすか・・あすか・・」

沙都はもう私の名前を繰り返すだけで言葉を発しない。

ただ私は抱きしめてくれた沙都のぬくもりに甘えるばかり・・。

そう・・まるでもう苦しまなくていいよって・・一人でつらかったねって・・もう大丈夫・・そう言ってるかのように・・。

「沙都・・沙都・・」

私の大好きな先生と同じ目をしている親友の沙都。

その目を見ていると先生にも同じこと言われてるみたい・・。

でもそれは言われてるみたいだけであって実際先生は私のことをきっと軽蔑している・・。

先生の方見れない・・。

直哉の方も見れない・・。

私の恋した二人の男性。

もう・・どうしていいのかわからない・・。

「あすか」