その後の沈黙は私以外の3人には過去をフラッシュバックせざるをえない状態だったんだろう・・。

それを証拠にしばらく誰も口を開こうとはしなかった。

先生や沙都、それに陽子さん・・・。

それぞれの想いが今それぞれの心の中で葛藤してるんだろうか・・。

そんな中、私は一人彩さんという人間のことを空想していた。

陽子さんの双子の妹・・きっと陽子さんとそっくりなんだろうな・・。

沙都が間違えるくらいなんだもん。

とっても綺麗な人。

そして魅力的。

・・・私なんかが、かなうわけがない・・。

先生の中でも・・きっと・・先生は彩さん以外の人を彩さん以上には愛せないんだろうな・・。

自分が憎いと思う・・。彩さんとして生まれることのできなかった自分が憎い。

できるなら・・できるなら・・倉沢彩という人間としてこの世に生まれたかった。

その彩さんは今いったい・・。

「・・・」

そんな沈黙を真っ先に破ったのは陽子さんだった。

「教えてあげればいいじゃないの、和志。彩との関係が終わったワケ」

まるで私の心を読んだかのように言う。

そういう風に話す陽子さんの表情は口の端の方で少し笑い、目は死んでいるようだった。

「・・・・」

先生と彩さんの結末・・・。

いったい何が・・

そして先生はひと呼吸置いて私に衝撃的な事実を突きつけた。