佐倉直哉・・・。私の通っていた中学校の同級生・・・。

いや・・・私の元カレといった方が正しいのかもしれない。

この佐倉直哉と私の愛の価値観は少し違っていた。彼は人よりだいぶ歪んだ人間だった。

そんな彼は私のことを散々オモチャにした・・。

「あすか、全然キレイになったじゃねーか」

「・・・・さ、佐倉くん・・・なんなの・・一体」

元カレなのに・・・怖い・・。

「お前のこと忘れらんなくてよー。今日っていい機会だよなー」

そう言って彼は私に抱きついてきた。

「ちょっ、やめてっ、やめてよっ、直哉っ」

「なんだよ、昔はお前から抱きついてきたじゃねーか」

「もうっ、やめてよっ、もう終わったことでしょ!?どうして私に関わるの!?」

「お前のこと愛してるからさ」

気持ちの全くない言葉・・・。人をからかったようなこのいいかた・・。

・・・もう・・・いや・・・。

「沙都でさえ知らないお前の醜態・・・まぁ・・・俺は好きだけど」

・・・ダメ・・おかしい・・頭ん中狂ってる。

先生・・・たすけてっ。

・・・あ・・私・・先生と別れるんだった。忘れるんだった・・。

「もっかい俺とつきあおーぜ、あすか」

・・・え・・・もう一回・・コイツと・・・。

ひょっとして先生のこと・・・わすれられる・・・?

きっと忘れられる・・・。そうね・・きっと

「直哉・・・わかった・・」

「随分聞き分けよくなったじゃん。これで俺も沙都に昔のお前のこといわなくていいじゃねーか」

「なっ・・・・!?」

沙都に・・・沙都にいうつもりだったの!?

・・・いや・・・沙都に軽蔑されたくない

「そ・・れじゃあ・・沙都まってるし・・・」

私はその場を離れようとした。

「待てよ」