最早ナンパどころではない。

走って逃げ去る二人組。

そんな彼らを見送りながら。

「私をナンパしたかったら、毛並みのいい美猫(びニャン)でも連れてくるんだねぇ♪」

つりめは陽気に、にゃははっ、と笑った。