バンッ!


勢い良く扉を開けた。


開けたというよりは、蹴り破ったの方が合うかもしれない。


はぁ・・・はぁ・・・。


あたしはふと、後ろを振り返る。


「・・・。ついてきてないね・・・。よかっ・・・」

「なんで独りがいいの?」

「!?」


安心したのに・・・。


もう、ついてきてないって・・・。安心したのに・・・!


なんでこいつは、あたしの目の前にいるの――・・・?


「ねぇ、なんで・・・?」

「・・・っ」


どうしよう・・・。やばい・・・。


こんなことなかったから・・・。


どう反応していいか分かんない・・・。


あたしは、走っているときに聞こえたことを言う。


「・・・あなた」

「ん・・・?」

「彼女ほっといていいの・・・?」

「は・・・?なんで?」

「さっき、女子生徒が言ってたから・・・」

「ん~~・・・。あんましよくねぇかも!」

「じゃぁ、さっさと戻れば?」

「それは、できない!」

「はぁ・・・?なんで・・・」


こいつ絶対変だ・・・。


普通彼女がいるのに、こんなふうに他女子と話す・・・?


「あぁ?だって、俺の質問に答えてねぇじゃん!」

「・・・はぁ?」

「さっきのだよ!まさか・・・もう忘れちまったか?」

「はぁ・・・?バカにしないで・・・。覚えてるわよ」


なんか・・・ものすごくムカツク・・・!


こいつ・・・犬みたいな顔してるくせに。


馬鹿面のくせに・・・!!


「・・・分かった。じゃぁ、答えたら、彼女にとこに戻りなさいよ?」

「・・・おぅ!」


はぁー・・・。


こいつの相手してると、凄くいらつく・・・。


それに、なんか疲れるし・・・。


「独りがいい理由・・・だったよね・・・?」


あたしは、封印していた過去をまた、人に話す・・・。


『あの人』に続いて・・・。また・・・。