「うぅー・・・!」


はぁー・・・。


あたしはため息をつく。


(しょうがないか・・・)


あたしは、上着のポケットから十字の付いた小さな箱を取り出した。


「・・・ほら、はい」

「んー?」


あたしは箱の中から大きめの絆創膏を取って、真田(?)に渡す。


「え・・・っと真田・・・でいいんだよね?」

「えぇー!もしかして、覚えられてないっ!?俺!ショックだ・・・。そうだよっ!そうですよ!!真田ですー!ついでに下は晴樹ですー!!」


さっきから見てて思ったけど・・・。


なんか真田って・・・。


真田って―――・・・。


「・・・小さな子供みたい」

「へっ?」


・・・って、やばっ!


なに本音言ってんのよ!


「小さな子供みたい・・・?誰が?」


あはは・・・。


自分だって自覚ないんだ・・・。


バレてるし・・・まぁいいか・・・。


「あんた以外に誰がいるっていうのよ。あんたのことに決まってるじゃない。馬鹿ね」

「えぇー!?俺の!どこがだよぉ!?」


あ・・・聞いてくるんだ。


意外・・・。


・・・もう、言ちゃってもいいよね?


「どこが・・・って?」

「お・・・おぅ!」

「全部よ!ぜ・ん・ぶ!ガキみたい。精神年齢、小学三年生みたいー!」

「な・・・!」

「バーカ!」

「んだとー!?」

「ほーら、ご覧!このぐらいで、怒ってるじゃない!」

「うぅー!!ば・・・バカって言う方がバカなんだーい!」

「・・・ぷっ」

「え・・・?」


・・・え?


あたし・・・今!


笑った・・・?


「なーんだ!お前、笑えんじゃん!」

「はぁ・・・!?」

「あぁー!元に戻った!笑ってるほうが断然可愛いのにー!」

「へ・・・!?か・・・かわ・・・い・・・い///?」


やだ・・・。


顔が熱い・・・。


と、言うより体が・・・かな。


真顔でそんなこと言わないでよー・・・!


慣れてないんだから・・・。


「あっれ?お前、顔赤いぞ?あ・・・!もしかしてー♪」

「な・・・なによー・・・」

「好きな奴のこと、考えてたんだろー!」

「・・・!」


思い出すのは、屋上での事・・・。


好きな奴は・・・出来た・・・けど・・・。


「・・・りだよ」

「へ?」

「無理だよ・・・。彼女がいたんだから・・・」

「・・・」

「・・・あ」


あたし・・・。何言っちゃってんの!?


最悪・・・。


弱み暴露してどうすんのよ、あたし!


「さ・・・さっきのは!わす―――・・・?」

「辛い・・・のか?」


思わぬ言葉に、あたしは、動揺を隠せなかった。