あたしは急いで隠れる。


佐伯でも、そうじゃなくても・・・。


今は誰にも会いたくない!!


あたしは茂みに隠れた。


こ・・・ここならきっと見つかんないはず・・・!


カサカサ・・・。


・・え?なーんか嫌な予感が・・・。


あたしは音がしたところを見る。


「・・・っ!!」


黒くて、お尻からビヨーンと糸を出している。


六本足が奇妙に動く。


ややや・・・やっぱりぃ!!


「きゃぁぁーーー!!」

「おぅわっ!!」


―――ドサッ


あたしは悲鳴を上げて茂みから飛び出した。


「いいい、いや!蜘蛛だけは絶対いやぁ・・・!」


パニック状態になっていた。


誰だかわかんない・・・。


「・・・もう、いないぞ。落ち着け!」

「・・・うぅ・・ぅ」


あたしは我に帰った。


「・・・!!・・・あれ?」


あたしは男に馬乗りして抱きついていた。


~~~・・・!!!


「ごご・・・ごめんなさい!!」

「・・・」

「あ・・・どける方が先か・・・」


あたしはすぐに男の人から降りた。


「・・・ほんとにごめんなさい」

「・・・」


えぇ~!!?


謝ってんのになんで無言!?


「ごめんっつってんだろ?」


あたしはついつい本性が出てしまった。


「ふーん・・・。なんだ、さっきと別人だったから違う奴かと思った」

「は・・・?さっき?」

「そ!」


なに?なんなの一体・・・?


「さっき教室で見たときは、もう少し冷たい感じがしたから」

「・・・?」

「あれー?わかんない?あんたの斜め後ろの後ろなんだけど?」

「・・・」


わかるかっての!


今日転向してきたばっかなのに!


「ふーん・・・。じゃぁ、自己紹介すっから。俺な、真田晴樹ってんだ!」

「・・・へぇ」

「えぇ!?反応うっす!」

「上げる方が無理だと思うんだけど・・・」

「なに?こんどは冷たい!」

「・・・いちいちうるさいわね」


あ・・・。戻った・・・。


まぁ、いいんだけど・・・。どーでも。


「あ!みんなからは『ハル』って呼ばれてっから!そう呼んでもいいぜ☆」

「嫌」

「えぇ!?まさかの即答かよー!!」

「嫌だから、仲良くなるの」

「うぅ・・・!」

「!?」

「分かったよ、こんにゃろー!!」


・・・意味わかんない・・・。


急に泣きそうになって走り出して・・・。


バカ・・・?最上級の・・・。


「うわぁっ!」

「あ・・・」


ドテン!