太陽の竜と闇の青年

「その言葉遣いも不思議だ。ここの女性に限らず、他国の女性は敬語をつかうが、君はどうも違うらしい」


私は少し照れ笑いするようにして言った。


「私は敬語とかってなんか嫌なんだ。皆、同じ平等な人間に変わりはないから。だから、敬語はあまり使いたくないんだ」


牙城さんは楽しそうに笑った。


「僕は君を気に入ったよ！！先ほどの少年と双子とは思えないね！君の名前は何って言うんだい？」


私は優しく笑って言った。


「ウィン＝ルウ」


牙城さんは満足そうにうなずいた。


「そうかい。そうかい。覚えたよ。では、本題に戻ろう。君たちは、玄武の何が知りたいんだい？」


私はスッと顔を牙城さんから牙城さんの隣にいる男の人に向けた。


「まず、玄武の翡翠を見せてくれないか？私も朱雀の翡翠を見せるから」


男の人と、牙城さんは驚いた顔をした。


「何で壱が玄武の翡翠を見つけているとわかった？」


私は、首に下げていた朱雀の翡翠を取り出して言った。


「朱雀が教えてくれた。玄武は、牙城さんの大切な人の傍にあるだろうって。それに、和菓子屋のおじさんからもヒントをもらった。いつも来てくれている常連さんは、首に黒い球を下げているってね」


牙城さんは、観念したように男の人に目配せをした。


すると、男の人は私の前に来て言った。


「俺は”和菓子屋の常連さん”ではなく、”空風壱”と言う名前がある」


私は笑顔で答えた。


「空風壱、いい名前じゃん」


壱は首に下げていた玄武の翡翠をコトッと軽い音をたてて私の前においた。


「ルウ、君はどうやって朱雀を蘇らせたんだい？」


牙城さんが額に手を当てながら言った。