太陽の竜と闇の青年

「ん?話し合いは終わったのかい?」


牙城は文を書いていた手を止めた。


「あぁ。ところで、先ほどここにいた男がでていったが、何か用事でもあったのか?」


俺が聞くと、牙城はニヤッと笑った。


「うん。壱は仕事が忙しいからね。まぁ、壱の話は後でもいいさ。まずは君たちがどこで玄武について知ったのか教えてもらおうじゃないか」


俺は一つ深呼吸をした。


「俺はこの前蒼国で翡翠の爺にある翡翠をもらったんだ。その翡翠の色は朱色で、中には朱雀が描かれていた。その後、フウの侍従に翡翠事件っていうやつを聞いた。それが気になって俺は図書館に行って四方の四神について調べた。そしたら、四神は四つの国に散らばってしまったらしい。朱雀は蒼国へ。青竜は風国へ。白虎は安国へ。そして玄武はここ、和国へ。俺はその四神を集めることにした。ある願いがあってな。それからあるとき、俺はある女性に朱雀を蘇らせる方法を聞いたんだ。大地に、恋の歌が響いた時、朱雀は蘇った。それから朱雀にお願いして玄武を目覚めさせてもらったんだ。だから和国に玄武がいることを知っていた」


すると、牙城は顎をさすりながら楽しそうにした。


「へぇ!!じゃぁ、その翡翠はどこにあるんだい?」


「それは内緒ですね。あなたたちが玄武の翡翠を隠すのと同じですよ。こちらも大切なものですから」


フウが後ろから言った。


よかった……。


実は、俺たちはこの質問の対処法は考えていなかったからだ。


フウはフォローが上手いな……。


「楽しいねぇ!!隠し事を言い合うのは……。君たちは、僕が翡翠を持っているって考えているかもしれないけど、僕は翡翠を持っていないよ。だって翡翠を見つけたのは、僕じゃなくて、アイツだから」


ニヤニヤと不気味笑う牙城を俺たちは気持ち悪そうに俺は見た。


「アイツって誰だよ」


俺がそう聞くと、牙城は大口をあけて笑った。


「ちょっと待ちなよ。僕だけがいっぱい色々なことを言うのは不平等じゃないかい?君たちだって隠していることがあるはずだよ。そうだな……。例えば、君たちと一緒にいた女の子のこととか?」