太陽の竜と闇の青年

「そうかい。美味いかい。おじさんはそんな可愛い顔がみれてうれしいよ」


私は、隣にいた男性を見て、笑っていった。


「ありがとう!あなたのおかげで、お土産が決めれたよ」


男性は私の目をさっきみたいにまっすぐに見て言った。


「俺はそれほどいいことはしていない」


無口なほうなのか、男性はあまり喋らない。


私はそんな彼を笑顔で見ながら言った。


「ううん。あなたのおかげだよ。私、こんなにも美味しい菓子食べたことなかったもの。本当にありがとう」


男性は少し困った顔をして後頭部を不器用に掻いた。


それから、何も言わずに和菓子屋をでていった。


私はサクラとラカのお土産に、さっき食べた花餅という餅と、トンボ砂糖という砂糖菓子を買った。


「あの、さっきの男性はどんな人なの?」


買った和菓子をもらいながらおじさんに聞いた。


「あぁ。あの男かい。あの男はうちの常連さんだよ。かなりイケメンにしては、甘党らしくてね。よく買っていくんだよ。彼にはよく新メニューの試食さんになってもらっているよ」


「へぇー!そうなんだ!」


ピッコーン!!!


いいこと思いついちゃったよ。


「おじさん、おじさん。あのね、ちょっと頼みたいことがあるんだけど……」