太陽の竜と闇の青年

それから、商店街の中をノロノロと歩いている時、一軒の店に目がいった。


「……和菓子屋?」


私はその店の中に入った。


中にはすごく綺麗なお菓子が目についた。


「わぁ!!すっごい!」


思わず感嘆の声をあげると、中かおじさんがでてきた。


「おや、これはこれは。白銀の髪をしたかわいいお嬢さんだね」


私は、和国では白銀の髪は怪しまれないため、今日はターバンを外してきた。


私は、笑っておじさんに話しかけた。


「あの、これって何って言うんですか?私、他国から来たのでよくわからないんだ」


おじさんは優しく教えてくれた。


「そうかい。他国では、洋菓子だもんな。ここの国の和菓子は砂糖を草や虫の形に変えたり、餅を花の形に変えたりしているんだ。これは食べれるんだぞ」


私は、驚いて洋菓子をみた。


作りもので食べれないかと思っていたけど、食べれるんだ。


「スゴイ……」


私が、驚きで声を失っていると、突然隣から手がのびてきた。


その手の上には、椿の花の形をした餅がおかれていた。


「食べたことがないのなら、食べてみればいい。ここの和菓子はほかのところよりも美味い」


え?と、隣を見ると、短髪で少し背が高く、鋭い目をした男性が立っていた。

男性は見惚れるほど整った顔つきで、もしかしたら、ラカやリクよりもカッコいいかもしれない。


そして、私が一番驚いたのは、彼が話しかけてくれるまでその存在に気づかなかったことだ。


「え……。いいの?」


私が首を傾げて聞くと、男性は小さくうなずいて、私の手の上にそっと和菓子をおいた。


「お、嬢ちゃん運がよかったじゃないか。その和菓子は、この店で一番いい餅だぜ!」


私は驚きながら男性のほうを見た。


男性は私の目をまっすぐに見ていた。


なんか、照れる……。


「えっと……。じゃぁ、お言葉に甘えて、いただきます」


餅をパクッと一口食べると、なんとも甘い味がして、頬がとろけそうなほど美味しかった。


「おいしい!!!!」


今までにないぐらい笑顔でそう答えると、おじさんはうれしそうに笑った。