太陽の竜と闇の青年

自分は目を見開いた。


先ほどまで攻撃を避けていたウィンが、ジャリスの後ろに回ったのだ。


そして……。


ドスッと重く鈍い音がした。


「はっ……。なるほど……」


ポタポタと流れる血を楽しそうに見つめたジャリスはウィンの首をつかんだ。


「まさか……こうまでして守りたかったとは……私も迂闊だった。だがな、それでも人間の破滅は終わらないぞ。人間は僻みに僻みあい無駄な争いを繰り返す。貴様の守った者たちを殺していくぞ」


首をつかまれているにも関わらず、まったく無表情のウィンを自分は唖然とみつめた。


「ジャリス。お前が人間を甘く見すぎているんだ。人間はそこまで馬鹿ではない。確かに竜の民としての血は薄れていき、もうフウだけになってしまったが、誰かの心には必ず竜の民は生き続ける。誰も忘れてしまわないように語り続ければいい。竜の民はこれぐらいで根絶やしにはならない」


ウィンの目には昔のような力強いものが宿っていた。


その目の奥には優しさも隠れている。


ジャリスが弱ってきたからだろうか?


だから、ウィンの力が戻ってきているのかもしれない。


でも、それはウィンの本当の死を表すものでもあった。


そう。


こんどこそウィンは死ぬ。


白虎の顔が歪んだ。


あぁ、そういえば白虎は二回目だったっけな……。


呆然として、そんなことを考えていると、ジャリスが倒れた。


「ルウ……あなたも馬鹿だね。……たかが、人間に自分の命を捧げるなんてさ……」


「うん。そうかもしれないね」


ジャリスは息を引き取り、ルウの体は消えてしまった。


「……あぁ。懐かしいなぁ……」


ルウの体へと戻ったルウは荒い息をさせながら、小さく笑った。