太陽の竜と闇の青年

「ねぇ、お前何時まで狸眠りしているんだ?お前の契約者は私だろう?」


ルウは口元からターバンをのけて言った。


「これは命令だ!でてこい!マーダーフィーンド!」


その瞬間、ジャリスが呻いたと同時に体の中から男性がでてきた。


その男性の左目には太陽のような文様が描かれていた。


正真正銘のフィンドだ。


フィンドはルウを見つけると、ニヤリと笑った。


「やっと会えたな。鬼の契約者ウィン=ルウよ。他人に鬼を使わせるとはどういう了見だ?」


ルウはフィンドを睨んだ。


「どうせ命令されても動いてなかったんだからいいだろ」


フィンドは肩を竦めてルウに近づいた。


「貴様、いつの間にそんなに殺気出すようにしたんだ?顔も怖ぇし。前の貴様と別人だな」


それを聞いたルウは冷酷な笑みを浮かべた。


「あぁ。そうだね」


ルウはゆっくりとジャリスをみた。


「……悪いけど、フィンドは私の契約者なんだ。かえしてもらおう」


ジャリスはニヤリと笑った。


「えぇ。ほしいのならばあげましょう。どうせ私の言うことは聞かないのですから」


ルウはスッと目をすがめてみた。


その瞬間、ルウの体の中にフィンドが入り込んだ。


「私は自分自身の命を持っている。それを勝手に使うことは……死んでも許さん!!!!」


ルウが窓から飛び降りた。


ジャリスもルウの体で後を追った。


二人は睨み合った後、腰から剣を引き抜いた。


「はは!貴方の体だからあなたは私を殺せないのでしょう?」


ルウがなかなか攻撃をしてこないのを察知したのか、ジャリスはそうルウに叫んだ。


それでもルウは顔色一つ変えずに攻撃を避けている。


なぜだ……。


なぜルウは攻撃を仕掛けない。


ルウの心など知っていたはずなのに、今の俺にはルウの心も、すべてが分からないものとなっていた。