太陽の竜と闇の青年

[壱]


俺は理解できない状況に陥っていた。


意味がわからない。


なぜここにルウがいるんだ?


”髪の短いルウ”が。


「お前は……誰、だ?」


俺がそう訪ねたとき、バンッと大きく扉が開かれた。


驚いて俺は扉のほうをみたけど、ルウは微動だにせず、無表情に俺をみていた。


「シルバに白虎じゃないか!」


俺が声をかけると、シルバと白虎はルウに近づいた。


「ウィン。何をしに来たんだ」


「そうだ。シルバ。これはどういうことなんだ?」


俺がそう訪ねると、白虎が少し眉をあげた。


「壱、我が主が見えているのか?」


俺はうなずく。


「あ、あぁ……」


それを聞いたルウは冷たい目で俺をみた。


こんな目、ルウはしないはずだ……。


「なら話は早い。この二人が言ったことは本当のことだ。私の体はジャリスにとられている。私がウィン=ルウだ」


俺はルウを凝視した。


堂々とした姿勢、弱さをみせまいとする強い心が見えた。


だけど、その目は悲しいほど暗かった。


でも、俺はなぜかそれがルウにみえた。


目がみえなくなっても、耳が聞こえなくなっても凛とするこの態度。


「本当に……ルウなのか?」


ルウはまっすぐ俺の顔をみた。


俺はこの顔をよく知っている……。


なぜ今まで気がつかなかったんだろうか?


そのとき、扉がキィと音をたてて開いた。


聞こえた声は……。


「こんなにも人がたくさん……。どうしたんですか?」


偽物のルウの声。


ルウ……いや、ジャリスはルウの姿をみて笑みを浮かべた。


「あぁ、ようやく来たんですね。ずっと待っていましたよ。あなたがなかなか行動しないから 私から殺しにいっちゃおうかと思いました」


その言葉は今までのルウのものではなかった。


こんな奴を俺はルウだと思っていたのか……。


でも、もしルウが髪の短いほうだとすると、俺のみた夢は本物だったということなのか?


ごちゃ混ぜになる頭をどうにか保たせて俺はジャリスをみた。


ジャリスはニンマリと笑ってルウをみている。


その反面、ルウは面もちを何ひとつ変えず無表情にたっている。


静まり返った部屋にルウの声が響いた。