太陽の竜と闇の青年

「もう疲れたんだよ……。こうして生きていくことに……。だから、ねぇ……もういいよね?」


顔をあげたウィンの目は銀色に光った。


その瞬間、背筋がゾワリとした。


ウィンの目は孤独で虚しいものだったけど、それよりも憎しみの力が強くみえたからだ。


その目は今まで自分が旅をしてきて、見た目の中で、最も恐ろしい目だった。


「ウィン……もしかして……」


自分が続きを言おうとしたとき、ウィンは立ち上がった。


「そろそろいいだろ?もう十分に待ってやったし、十分に苦しんだ。もう私を解放してくれよ」


自分と白虎はうなずくことはできなかった。


だといって、自分たちが正しいともいえない。


だけど、でも!!


自分はガタンッと立ち上がってウィンの前に立ちはだかった。


ウィンは眉をひそめて自分を見る。


「ウィン。ウィンの言うことはよくわかる。だけど、自分たちの世界を壊すのはやめてくれ。確かに、自分たちが悪いとは思っている。だけど、これからもっとたくさんの命が産まれようとしているんだ。お願いだ。やめてくれ。産まれてくる子に世界を見せてあげてくれ」


ウィンが口を開けようとしたとき、ウィンは心臓に手を当てて座り込んだ。


それから、ゴホゴホと咳をした。


その瞬間、自分は驚くものをみた。


白虎も目を見開いてウィンに近づく。


「まさか……我が主……」


白虎がウィンに触れようとしたとき、テンがその手を弾きとばした。


「ルウ様に触れるな!これは全てお前等のせいなんだ!」


自分たちが唖然としている中、ウィンは口元を服でグイッと拭った。


「時間がないんだ。私はやると決めたことはやる。どけ。邪魔だ」


グイッと押された自分は驚いてウィンをみた。


ウィンは、こんなにも力が強かったか?


こんな細い体にどれだけの力を秘めているんだ?


自分が唖然としていると、背中をバシッとたたかれた。


「おい。ボケーっとしている場合ではない。今すぐに我が主を追いかけなければ」


白虎はクルンと一回転すると、動物の姿へと変わった。


そうだ。


今はこんなことをしている場合じゃない。


ウィンを止めなければ……。


ウィンの足は速い。


さすがの自分も白虎に乗るしかなかった。


「……まさか、自分が白虎の背中に乗るときが来るとはな……」


「本気でヘコむな。こちらが困るだろう」


「ははは…………」


そんな意味のない会話を重ねながら、ウィンを追いかけた。


それにしても、さっきのは一体何だったんだろうか?


ウィン……。


あの血は一体何なんだ……?