太陽の竜と闇の青年

「あぁ。それから、これはサービスで言っておくけど、あんたルウちゃんに会ったらきっと聞きたいことがでてくるよ」


俺は眉をひそめて聞いた。


「何だと？」


莢は嫌なニヤけかたをした。


「ルウちゃん、四神についてかなり詳しいらしいよ。それにかなりいい目利きだそうだ。翡翠のことも、脂玉のことも何でも知っているらしい。これは牙城様が言っていたことだけどね。あんたの持っているその翡翠もルウちゃんがみたらすぐに分かるさ」


俺は、首に下げてあった翡翠に手をやった。


「……」


俺が黙り込んだのを見た莢が高笑いした。


「まぁ、あんたは活発な子が好きらしいから、まずはルウちゃんを好きになるかもしれないけどね」


俺は翡翠から手を離し、莢の目をまっすぐに見た。


「残念ながら、俺の頭の中の辞書には人を好きになるという言葉はないんだ」


苦笑いする莢を放って、俺は裏口から外にでた。