自分たちはゆっくりと立ち上がる赤髪のウィンをみた。
ウィンは怒っているのかわからない顔をしていた。
「壱に何を言った?」
ウィンはあの低い声で自分たちに聞いてきた。
自分と白虎は前を見据える。
ウィンも自分と白虎を睨むようにまっすぐにみている。
「壱に何を言った?」
二回目の質問。
ウィンの声は力強いもので、拒否権はないようなものだった。
「壱に本当のウィン=ルウを思い出してくれと頼んだ」
白虎がそう言った途端、パキン!と音がして花瓶が割れた。
こんなにも物が割れていたらお金とか結構かかるんじゃないのか?などと思っていると、ウィンの目がチラッと自分へ向けられた。
もしかして心読まれたか!?
そう思ったけど、ウィンはすぐに白虎に目を戻した。
「で?それをやって私が喜ぶとでも?」
ウィンは白虎の頬を撫でた。
「それって自己満足にすぎないんじゃないのか?」
冷淡な笑みは恐ろしく周りが凍えたようだった。
しかし、白虎はそれに屈しなかった。
「ならばなぜあなたは毎日噴水の縁に座っているのですか!?俺は思うのです。あなたは、壱に思い出してほしいからあそこに座っているんだと……」
その瞬間、ミシリと音がした。
白虎は驚いて自分の腕をみる。
「……!?」
自分が不思議に思い、白虎の腕をみると、白虎の腕は少し赤くなっていた。
まさか、ウィンは白虎の腕を折ろうとしているのか!?
「ウィン!ちょっと待ってくれ!白虎の腕を折るのはやめてくれ!!」
その瞬間、白虎は痛みが治まったのか小さなため息をついた。
自分は白虎までも痛めつけるウィンの変わり果てた性格を信じたくなかった。
だから、どうしてもウィンの心情を知りたくなったんだ。

