太陽の竜と闇の青年

「もうルウ様を自由にしてあげてよ……。ルウ様のしたいように生かせてあげてよ……。ルウ様は今孤独の神として必死に生きようとしている。それを邪魔してあたしからルウ様を奪って、ルウ様を殺そうなんてことしないで……。君たちはいつでもルウ様に会えるんだからいいじゃんか」


自分たちは言葉につまってしまった。


確かにそうかもしれない。


自分たちはいつでもウィンに会えるし、ウィンとも話すことができる。


自分は弱音を吐こうとした瞬間、白虎がドンッ!と机を叩いた。


叩かれた机はメキッと音をたてて木屑になってしまった。


それでもテンは真っ直ぐ白虎を睨んでいる。


その目にはウィンを奪おうとする自分たちへの怒りが込められていた。


だが、白虎も負けてはいなかった。


白虎の目は鋭く黒光りしていて、怒りに燃えていた。


初めて白虎の怒りをみたのかもしれない。


白虎は拳をギュッと握りしめた。


それはテンを殴りたくはないなのかもしれない。


「何をふざけたことを言っているんだ。我が主は壱に自分の存在を知ってもらいたいがために毎日噴水のところに座っているんだろう。俺たちは壱に我が主の存在を知ってもらうために今壱を説得しているんだ。貴様らが勘違いをしているんじゃないのか?ジャリスは確かに倒したい。だが俺はジャリスを倒すよりも壱が独立の神へと変わった我が主の姿を目にするほうが手っとり早いと思っている。だってそうだろ?四神や、壱たち人間にはみえないはずの神が四神の俺と人間のコイツにみえるんだ。はじめからそれにひっかかっていた。いくら特別な存在だといっても、おかしいところがいくつも浮かび上がってきた。だから、俺は一つの仮定をたてた。孤独の神になった我が主がみえる者っていうのは我が主がいると信じている者だけなんじゃないかってな。俺以外の四神は術をかけられて我が主の存在を信じていない。ジャリスを我が主と思っている。壱もクラウドもサクラもラカもだ。だから我が主がみえていない。だが、俺とシルバはアレがジャリスとわかっていて我が主の存在を認識している。だからこそ喋れるし、見える。だから俺は壱に我が主の姿がみえるように信じてもらおうとしているんだ。その邪魔をするというのならば……俺は餓鬼でも殺すぞ」


その言葉は嘘ではなく本気だった。


白虎の目がそれを語っていた。


白虎……本気なんだ……。


ならば自分も本気にならなければな。


自分はテンを見据えた。