太陽の竜と闇の青年

じわり、じわり、と広がる痛みは一瞬にして激痛へと変わる。


そんな痛みに慣れてきたのはいつ頃のことだろうか?


多分、もうずいぶんと前だろう……。


「申し訳、ありませんでした……。ルウ様」


「別に」


「本当はあんなこというつもりは全然なくて……。でも、あたし、自分の感情がおさえれなくて……」


「もういい。分かっているから」


「ルウ……様?」


「下がっていいよ」


「ルウ様!」


「今日はもう疲れただろう?休んだ方がいい」


「ルウ様!!あたしの話をきちんと聞いてください!何でですか?何故「もういい」と言ったのに……何故ルウ様はそんなにも悲しげな目をするのですか!!ずっとずっと思っていました。ルウ様は口では偽りを述べているのではないでしょうか?あたし、分かっているんです。ずっとルウ様に使えてきたから……。ルウ様の目は嬉しいことがあると、輝き、悲しいことがあると暗くなります。だから、あたし、毎日ルウ様の目をみてルウ様が今何を思っているのか考えていました。でも、もういいんじゃないでしょうか?」


「……………………何を言っている?」


「あんなにもルウ様のことを思ってくれる人間がいたのですから。もうルウ様は感情を隠さなくても、嘘をつかなくてもいいのではないのでしょうか?少しはあたしや人間を頼ってもいいのではないでしょうか?」


「つまり、それは……私に死ねといっているよ」


「……え?」


「独立の神は助けられることで死ぬ。だから、先祖も人間に助けを求めなかった」


「で、でも……」


「それに私はもうイコによって殺されている。もしジャリスを倒して私が自分の体に戻ったとしても、結局は死んでしまう定めだ。一度殺されて死んだ人間はもう二度と還ることはできない」


「ですが……少しは……」


「少しもなにもない。死は死だ。私にはもういきることはできない。だから私はこうして少しでも人間の手伝いになることをしている。こうして痛みをかっている。私だって少しでもいいから人間に戻りたいと思っている。だけど、独立の神となってからは……そんなこと無理だとわかった」


「ルウ様は、本当にそれでいいのですか?」


「ジャリスに殺されて「大丈夫、ここにいてもいいんだよ」と言って笑ってくれる誰かがいなくなって、独立の神になって、自分が独りだと気づいてしまう恐怖。それがどれほどのものか分かってしまったときから私は独りでいいと思った。でも一つだけ分からないことが今でもあるんだ。ねぇ……テン。皆に必要とされていないのなら、何故私はここにいるんだ?皆に気づかれずに独りで死にゆく運命の私は一体この世界のどこにいればいいのだ?」