太陽の竜と闇の青年

[壱]


俺は深いため息をついた。


隣に座っていたシルバが首を傾げた。


ジャリスは今青竜を連れて出かけているから、俺はシルバと一緒に縁際に座って葡萄を食べながら旅の話をしてもらっていた。


「どうしたんだ?疲れたのか?」


俺は額を押さえる。


「いや、疲労はしていないんだが……。最近同じ夢ばかりみるんだ」


シルバは葡萄を一つ口に放り込み、眉をひそめた。


「夢?」


「あぁ。本当に不思議な夢なんだ……」


シルバは口の中から葡萄の皮をプッと吐き出した。


「空風が夢だとかそういう話をする奴だとはな」


シルバは微笑を浮かべながらもう一つ葡萄に手を向けた。


俺も葡萄に手をのばす。


この葡萄は朱雀が町で買ってきてくれたものだ。


「いや……俺もそういう話をするタイプではないんだが……。どうも不思議でな」


シルバは背骨をボキボキいわせて俺をみた。


「ふーん。どんな夢だ?」


俺は思い出すように言葉を紡いでいった。


確か……。


「すごくほっそりとした体で、ルウと同じ顔をした髪の短い女の子がうずくまっているんだ。顔を足の間に挟んで、独りでずっとうずくまっているんだ。それでその光景がスーっと消えたら、次は少し歳のとったお爺さんとその女の子が話しているところがでるんだ。その女の子はすごく暗い目をしているんだ。だが、どこか魅入れる部分があって、とても複雑な気持ちになるんだ。それで、またそれも消えていって、次は、自分とその女の子が俺の前に突っ立ているんだ。だけど、俺はその女の子の存在に気がつかなくて、朱雀たちと話していたり、ルウと二人でいたりするんだ。その時に、女の子がみせる顔はどれも無表情なんだ。だけど、女の子の目には、暗闇が広がったり、それが晴れたり、そんな夢を最近毎日みるんだ」


俺が話終わると、シルバがハッとしたように俺をみた。


「その女の子は本当の本当にウィンに似ていたんだな!」


あまりにも勢いがよかったものだから、俺は呆然とした。
が、首だけは動いていたのか、見知らぬうちにうなずいていた。


「そうか……。すまない!今日はここでお暇させてもらう!」


そう言うと、シルバは俺の返事も聞かずに城から飛び出した。


「……何だ?」