太陽の竜と闇の青年

「月の見下ろす世界はちっぽけだなで汚い。自分の居場所は何処にあるんだ?この重たい足枷をつけたまま、暗闇を無我夢中で走る。息が詰まる、この灰色の世界に。「ひとりじゃ生きられない」なんて誰が言った?独り冷たい光届かない世界で耳を塞いで漂い生きられたらそのときは何を想うんだ?灰色の月明かりが私を照らす。このまま闇にココロもカラダも溶かそう……」


自分と白虎は首を傾げた。


「これは……どういう意味だ?」


自分が白虎に訪ねると、白虎は唸った。


「これは……俺の勘なのだが……。少しずつジャリスに顔の表情を奪われ始めたときなのではないだろうか?始めのほうは少し明るく書いているが、後々”独り ”という単語が多々出てきている」


なるほど……。


さすが白虎だな……。


やはり助けたかいがあったというべきなのだろう。


「一つ訪ねたいのだが……」


自分が白虎を関心していると、白虎が自分をまっすぐにみて言った。


「何だ?」


自分が首を傾げると、白虎は指をのばして言った。


「シルバは俺たち二人だけで我が主の躯を取り戻そうとしているのか?」


自分は、もちろんとうなずいた。


しかし、白虎は気むずかしい顔をした。


「それは……少しだけ難しいと思うのだが……」


「なぜだ?」


「ジャリスは破滅の神だ。今すぐにこの世界を破滅へと導こうと思えばすぐにできるはずだ。だが、まだ破滅しないということは我が主がどう動くか気になっているから。我が主が怒り狂う姿をみるためだと思う。それを阻止して、我が主の躯を取り戻すのが俺たちの役目だ。だが、そう易々とジャリスが殺されると思うか?仮にもジャリスは我が主の姿だし、それにフィンドだって体の中に入っている」


マーダーフィーンド。


その名前を聞いた時、ウィンがヘルを殺した時のことを思い出して吐きそうになった。


「そうか……。だが、そうだとしても他にいるのか?皆術にかけられているんじゃないのか?」


そのとき、いきなり扉が開いてウィンが入ってきた。


自分たちはいそいで日記を隠した。