太陽の竜と闇の青年

・白虎・


俺は足枷をガチャガチャとならした。


シルバがもしかしたら助けに来てくれるかもしれないからだ。


さっきジャリスが来て俺に伝えて言った言葉……


「シルバが貴方を探していましたよ」


これは俺にとって最高の言葉だった。


何よりも救いの言葉だった。


もしかしたら、シルバは術にかかったフリをしているのかもしれない。


シルバはそれほど馬鹿ではないし、逆になかなか頭の切れる奴だ。


ジャリスがルウではないぐらい一瞬でわかるはずだろう。


周りの反応が違うことも何もかも。


それにシルバは錬金術師だし、旅をしていたから遠い国へ行っていたに違いない。


術にかかっていなくても合点がいく。


俺がそう思いながら足枷をガチャガチャとならしていると階段から明かりがみえた。


ジャリスか……と思ったが、まったくの別人だった。


その人物は俺が助けてほしかった人、本人だった。


シルバはニヤリと笑って俺に手を挙げた。


「お久しぶりだな。にしても、無様な姿で」


「まったくだ。昔はもっと扱いが優しかったんだがな」


俺とシルバは顔を見合わせて、ははは!と笑った。


シルバは身長と髪が伸びたこと以外、何も変わっていなかった。


「シルバ。久しぶりに会って申し訳ないんだが……これを除けてくれないか?邪魔で仕方がない」


俺がそういうと、シルバは小さくうなずいて背中に背負っていた自分の身長ぐらいある剣を取り出し一振りした。


檻は綺麗にスパッと切れ、ガラガラと崩れてしまった。


俺が愕然としていると、シルバは檻の瓦礫の山を楽々と通り越して俺の枷をみた。


そして、なにやら呪文らしいものを口の中でボソボソと説きながらゆっくりと手を合わせた。


その瞬間、パキンッと音がして、枷が外れた。


俺が関心してシルバをみていると、シルバは苦笑いを浮かべた。


「これでも錬金術師だ。これぐらいできなければ自分は役立たずになってしまうだろう」


俺は骨をバキバキとならした。


ずっとあの状態で肩も首も凝っていたんだ。


久しぶりに檻からでれたからな……。


俺がシルバの剣に触れようとしたとき、シルバがバッと振り返った。


そして注意するように眉をしかめた。


「自分の剣は錬金術師用に珍しい原石で作られている。だからさっきの檻も切れたんだ。半端な気持ちで触ると指がとれるかもしれないぞ」


俺はそれにゾッとして、手を引っ込めた。


いつの間にシルバはそんなに危険な物を身につけるようにしているんだろうか。


だが、今はそんなことどうでもよかった。


「シルバ!!我が主はどうなった!?我が主の意志はどうなったんだ!!!!」