太陽の竜と闇の青年

自分がため息をついたとき、ウィンの耳がピクリと小さく動いた。


「……これから話をするな」


自分が首を傾げたとき、カツカツと軽快な足取りの靴の音した。


庭に顔を見せたのは……。


「あら、シルバではないですか。こんな所で何をしてらっしゃいますの?」


ウィンの顔を被ったジャリスだった。


チラッと気づかれないように隣をみると、あくびをして興味なさそうにジャリスをみているウィンがいた。


きっと、ウィンはその内殺すのだから、興味がないんだろう。


だからなのか、憎悪の一つも感じられなかった。


「いえ。少し和国の庭を散歩してみたいと思いまして」


微笑を浮かべると、ウィンもニッコリと笑った。


「そうでしたか……。でしたら、私は邪魔をしないほうがよろしいですね」


自分は城へ戻りにいこうとするジャリスを慌てて呼び止めた。


「あ!」


ジャリスは首を傾げて後ろを振り向く。


ウィンは何が言いたいんだ、とでも言うように自分をみている。


「四神たちに久しぶりに会いたいのだが……」


ウィンは自分の言葉を聞いて小さなため息をついた。


でも、ジャリスがどう答えるのか楽しみながら、無表情だけれども、興味深そうにジャリスをみた。


「四神たちですか……。すみません、白虎だけがお使いに出ていていないのです……。それでも良いのでしたら会わせることができますが……」


それを聞いて自分は満足した。


白虎はここの牢にいると確信したから。


「そうか……。自分は白虎に会いたかっただけですから、いいです」


それを聞いたジャリスは少しだけ眉をピクリと動かした。


でも、笑顔を取り繕ってニッコリと微笑んだ。


「そうですか。本当に申し訳ありません……」


「いえ、本当にいいんです」


自分が手を振ると、ジャリスは城の中に入っていった。


「くくくく」


城に入った瞬間、ウィンが突然笑いだした。


驚いてウィンをみると、顔は笑っていなくて……喉だけが楽しそうに動いていた。


「まったく毎度毎度頭に来るよ。皮肉にも自分の顔で偽物を取り繕っているってことにね」


自分はニヤッと笑ってウィンをみた。


ウィンは眉をひそめて自分をみた。


「仮面を繕っている奴にはそれなりの罰を与えないとな」


白虎を助けにいこう。


ウィンのためにも。


自分しか頼れないんだから。


自分は城へと足を向けた。


後ろでウィンが誰かと話しているのにも気づかずに。