太陽の竜と闇の青年

「初めてここに来た時のあの子はとても明るく、孤独の神なんて似合わない少女だった。あの子の光はわしら神にとっての太陽のようなもんだった。しかし、あの子は突然闇へと変わってしまうのだ。あれは本当に突然の出来事だった。笑っていたはずのあの子からだんだんと魂が抜けていくように一つ、また一つと顔の変化が消えていき、今の無表情にしかならなくなってしまった。それからというもの、あの子は何かを思い浮かべるかのように神域から出ていき、和国の噴水の前に座るんだよ。そして、あの子は不思議な力も手に入れた。自分の意志で壊したい物を壊せる力。君もみたと思うんだが?」


アレがそうか……。


ウィンの逆鱗に触れた時、ウィンは何もしていないというのに壁が喰われたり、木が折れたりとした。


「わしたちが楽しい話をしても、無視をし、極度に人を避けていった。そのうち、神域の神たちも愛想をつかし、あの子に近づかなくなった。そして……あの子は本当に独りになってしまった。地上で何かがあったんだとは思うのだが、わしは何がどうだかわからんのだ。あの子はわしとも話さなくなってきたからの……」


そのとき、ウィンが部屋からでてきた。


そのまま地上へと降りていってしまった。


俺も慌てて後を追う。


ウィンが足を向けたのは、やっぱりあの噴水だった。


「ウィン!」


自分はスタスタと歩くウィンを呼び止めた。


ウィンはゆっくりと自分をみる。


短くなっている髪が風でフワリと舞う。


「何……?」


イライラした口調でウィンが自分を睨んだ。


「孤独の神になったのは分かった。何でウィンが笑えないのかも全部聞いた。それでも自分はウィンを助ける!体さえ手に入れればいいんだろ?つまりは白虎を助け出してジャリスを殺し、ウィンの体を手に入れる。そんな簡単なことだ」


俺のそんな意見にウィンは反対した。


「ジャリスを殺したら、私の体まで死んでしまうよ。それだけは勘弁だ」


自分は言葉に詰まる。


それは確かだが……。


だが、ルウの体を殺さなければ、どのようにしてジャリスを殺せばいいというのだろうか……。