太陽の竜と闇の青年

[壱]


不思議な夢をみた。


何度も別の映像で。


一つ目の映像は、ルウと同じ白銀の髪をした髪の長い少女が一人唇を噤んだまま膝を抱えて何かに耐えていた。


俺はその子の前に突っ立っているだけだった。


少女が顔をあげたが、俺はその目をみて悪寒を覚えた。


なんて暗く切ない目なんだろうか。


こんな目を俺はみたことがなかった。


だが、顔立ちの綺麗な少女だった。


どこかルウに似ていた。


いや、ルウそのままだったんだ。


だけど……ルウとはどこか、何かが違う。


俺が少女に手を差しだそうとした瞬間、少女の姿はうっすらと消えてしまった。


二つ目の映像は、さっきの少女が爺さんに話しかけているところだった。


少女の声は低く鋭く凍えていた。


「……本当の強さってなんだろうな」


爺さんは少女をみて、虚しそうに顔をゆがめた。


その映像も消えてしまった。


三つ目の映像は俺と少女がいた。


俺は噴水の縁に座っていて、少女はそんな俺を見下ろしていた。


だけど、俺は少女の姿に気づいていない。


なぜだ?


俺ならば気づくはずなのに。


そして……、


”壱のばーか ”


少女の口がそう動いた。


なぜ、この少女は俺の名前を知っているんだ?


なぜ、俺はこの少女を知らないはずなのに懐かしいと思うんだ?


なぜ、この少女はこんなにもルウに似ているんだ?


なぜ、自分のことではないのにこんなにも胸が締め付けられるんだ?


なぜだ……。


疑問が次々と頭に浮かんでくる。


そのとき、少女がこちらをみた。


俺と目があう。


綺麗な髪と同じ白銀の目をしていた。


俺は……この真っ直ぐな目を知っている?


”貴方に私は分からないんだ。……さようなら ”


少女の口がそう言った。


さようなら、と。


俺は思わず少女に手を伸ばして叫んでいた。


「ルウ!!!!!!!!!!!!!!」


なぜ、そのときに”ルウ ”という名前がでたのかは自分でも分からなかった。


ただ少女が似ていただけだからかもしれない。


少女は俺を確かにみた。


あの真っ直ぐな目で。


だけど、なぜかすぐに悲しい目になり俺に囁いた。


「これは君の夢だ。私ではない」


俺は隣を通り過ぎる少女をみた。


少女は横目に俺をみて、通り過ぎていった。


そうだ。


これは夢なんだ。


そう、夢なのに、なぜこんなにもリアルなんだ?


本当にコレは夢なのか……。


もしかして誰かが俺を呼んでいるんじゃないのか?


少女を振り返ったそのとき、頭に激痛が走った。


「……つっ!」


少女がぼんやりと歪む。


俺の意識が途切れる中、少女が振り返った。


俺は少女の涙をみた。