太陽の竜と闇の青年

「あの子はとっても頑張っている。だけどね、あの子の精神が崩れた瞬間、あの子はこの世から消えてしまうんだ。だから、私はずっとあの子の逆鱗に触れまいと割れ物でも扱うようにあの子を扱った。ここまできたのは奇跡のようなものなんだよ。精神が不安定なあの子にとってはね」


ウィンは荒い息づかいをして、立ち上がった。


「……部屋に戻る」


ティーブンにそう告げると、ウィンは赤い扉を開けて中に入っていった。


黒いハート形を抱えながら。


「……あの子は昔も今も、幸せになれない運命なのだろうか?私はね、あの子はもっと幸せになるべき存在だと思うんだよ。本当の心は清く美しい。……誰かがあの子の心を汚している。それはあの子自身なのか、それとも他の誰かなのか……。それはきっと本人にしかわからないだろうね」


ティーブンをみた。


ティーブンはうっすらと目に涙を浮かべていた。


この人はウィンの本当の姿を知っている。