「僕たちは、旅行に来たんですよー」


牙城さんは楽しそうに笑い、フウに向かっていった。


「へぇ!それは楽しそうだね」


「えぇ。まぁねー」


すると、一瞬だけ牙城は目を細めてボソボソとつぶやいた。


「……が……だろうな」


もっとも重要な部分が聞けなかった。


「ところで、牙城様は何でそんなに物知りなんですか?」


ジンがリクの後ろから顔をのぞかせて言った。


「あぁ。僕の唯一の友達はすごく情報通なんだ。まぁ、仕事関係がそれだからね。だから僕の友達は外国のことをいろいろ教えてくれるんだ。だから僕はいろんなことを知ったんだよ。だって、前まで僕は和国だけがこの大きな世界に存在するものだと思っていた。けど、その友達に教えてもらったんだ。この世界は蒼国、風国、安国、そして、独自の生活を作り出した和国に分かれていることを教えてくれたんだ。他にも、蒼国と安国は奴隷制度がすっごく厳しかったんだよね。だから、それから逃げるようにして和国は鎖国した。まだまだいろんなことを教えてくれたんだ。もし、君たちが僕の友達に手を出そうっていうんだったら王からの命令として、即刻、和国からでていってもらってもう一度和国は鎖国をする。僕の一番大切なものは、
親でも金でもその翡翠でもない。友達だ」