太陽の竜と闇の青年

「お前がルウを殺したのか?」


ジャリスもさすがに危険と感じたのか、さっきよりも上空にあがっていた。


「殺したのは私ではなくイコです」


「お前が仕掛けたのか?」


「それは否定できませんね」


壱は目を眇めてジャリスをみた。


「貴方が私に怒りを覚えるのもわかります……。ですが貴方の願いを叶えてさしあげることは可能です」


俺たち皆目を見開いてジャリスをみた。


それはつまり、ルウを生き返らすということ。


コイツは何を考えているんだ?


「本当に……できるのか?」


壱は愕然としてジャリスに聞いた。


ジャリスは柔らかく笑う。


「もちろん。だって、私は神ですから」


その笑い顔が俺には恐ろしく見えた。


「い、壱……ダメだ!!ジャリスの言うとおりにはなるな!!壱、理性を取り戻せ!!死んでしまった者は、もう二度と還ってこれないんだ!!」


壱はすごい形相で俺を睨んだ。


「99%無理だとわかっていても、残りの1%に賭けてみる価値はあるだろう!!それとも、何だ?白虎はルウが死んでも自分には無関係だというのか!!」


ガッと襟首を掴まれた俺は、その衝動で後ろにあった木に頭を打ちつけてしまった。


ガァァーンという音が頭の中に響く。


「ち……がう。そういう……意味では……ない。ただ……ジャリスは………………」


ジャリスはダメなんだ。


ジャリスはルウの体を蝕む元凶となり、ルウ自身を苦しませる者だから……。


だが、俺の意識はそこで途切れてしまった。


その瞬間にみせたジャリスの表情は、なんとも屈辱たるものだった。


…………………………ルウは、死なせない。