太陽の竜と闇の青年

[壱]


静寂が林を包み込む夜に、降り注ぐ白。


「……遅かったか……」


玄武がため息混じりにそう言った。


それが、俺たちの沈黙を破る言葉だった。


俺は、事態が飲み込めなかった。


今あるこの状況が嘘だと誰かに否定してほしかった。


だが、誰も否定はしない。


俺は雪に少しだけ埋もれつつあるルウの傍に歩み寄った。


隣ではイコが安らかな顔をして眠っている。


イコの心臓には、剣で刺された後が残っていた。


そして……ルウの腹にも。


俺はルウの脈を何度も何度も確かめた。


だが、結果は同じ。


「……壱。何度やっても同じだ。我が主は、死んだ」


俺は白虎の言葉を聞きたくなくて……。


聞くのが怖くて頭を振った。


だが、どんなに名前を呼んでも、二度と返事が返ってくる事はない。


笑った顔も


怒った顔も


泣き顔も


真剣な顔も


全て鮮明に思い出すことができるのに、もう二度とルウが俺に反応を返してくれることはない。


「…………っ!ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


そのとき俺は、生まれてはじめて、心の底から慟哭した。