太陽の竜と闇の青年

「ルウがジーナ様、殺したの?何で?何で?」


私は我を失ってしまったイコをみた。


それから、空をみた。


雪雲が漂っていた。


その中にジャリスの姿が見あたらなかった。


”フィンド。生きてる? ”


”あぁ ”


”今からジャリスを追ってきて ”


”それはつまり、貴様の体からでろってことか? ”


”うん ”


”貴様一人でコイツを倒すことができるのか? ”


”うん ”


”……ならばしかたあるまい。行ってこよう ”


その返事と同時に私の体がすぅと軽くなった。


フィンドがでていったんだ。


私はイコをみた。


イコは私をみている。


「ジーナは、重い重い罪を犯したんだよ。だからそれを償うために罰を受けたんだ」


イコは剣に手をむけた。


何をいっても無駄だとは分かっていた。


だけど、少しでもいいからわかってほしかった。


「嘘だ……。ジーナ様は、ヒドイことしない……。絶対」


イコの顔がキッと私へ向けられた。


「絶対にだあああああああああああああ!!!!!!」


ギィィン!と重い音がする。


反射神経よくてよかった。


しかし、イコは私に蹴りをいれてきた。


「あっぶない!」


私はピョンッと飛んでイコの後ろへと回った。


そして、イコの片腕に剣を向ける。


しかし、イコもまたグルリと回転して、私の頬をかるく切った。


私の剣もイコの肩を少しだけ貫く。


しかし、イコはすぐに攻撃をしかけてきた。


ブンッと横に斬る剣を私は地面に膝をつき、避けてその体勢のまま剣をふりぬき、イコの腿を斬り裂いた。


「うぐぅ!」


イコは呻いた。


イコはいったん振りおろした剣をすくい上げるように振った。


目の前に剣が迫ってくるのをみながら、私はそれを避けることができなかった。


その瞬間、鎖骨から肩にかけて刃先が食い込み、焼け付くような痛みが走った。


私は前に倒れ込むようにしてイコの腹に短剣を突き刺した。


肉の裂ける感触がした。


……が、私の腹にも今までに味わったことのないほど激痛が走った。


ズブ……と鈍い音が体の中に響き、私は腹を抑えた。


ゆっくりと手をみてみると、血がネットリとへばりついていた。


だけどイコのほうだって激痛を味わっているに違いない。


身動き一つしないから。