太陽の竜と闇の青年

「戯れ言をいうな!!!!!貴様、元からそのつもりで契約を……!!」


俺がジャリスの首を掴んだ時、ジャリスの竪琴のまっすぐな糸が俺の首筋をうっすらと切った。


「戯れ言……?ご冗談を。白虎、あなたはそんなに頭が悪かった子供でした?初めからそんな単純なことわかるでしょう?破滅するのに生き残りなんて必要ないんですよ。そう。必要ないのです。生き残ったとしても、ただ独りで生きていくのは、とても辛いことなのです。結局は死ぬたくなる。そう考えれば、孤独の狼といわれた白虎の頭では分かるでしょう?独りで死ぬのなら、愛する皆と死んだ方がマシでしょう?」


俺はギリッと歯をならした。


しかし、ジャリスの顔がつまらなさそうなものへと変わったことに気がついた。


「それに今回の戦い、貴方たちの勝ちでしょうね。弱い者はいりませんから」


俺は驚いてフィンドたちのほうへ振り返った。


そこには先ほどとは全く違う風景が広がっていた。


木は切り倒され、血痕が色々なところについている。


そして……。


フィンドがキルの上に馬乗りになり、心臓へ剣を翳しているところだった。


「生きるのに疲れたのか?」


フィンドの質問にキルは小さく笑った。


「あぁ。もう疲れた。人間殺しは長く生きすぎたかもしれん」


「そうか」


「殺し屋はまだ生きるつもりか?」


キルの言葉にフィンドは少しだけ黙り込んだ。


しかし、小さくうなずいた。


「あぁ。鬼の契約者が楽しく暮らせるまで見届けないといけないんでね。それが鬼とヒドラとの約束だからな」


「ヒドラか……。久しぶりに聞いた」


「死ぬ最後に久しぶりに聞けてよかったな」


「まったくだ。さぁ早く殺せ。人間殺しの契約者も早く死にたいと呻いている」


「そうか」


その瞬間、すぅとタエラ=ジーナの目が紫色へと変わった。


キルヒューマニティは消えたのか……。


フィンドが剣を振りかざしたとき、林の奥から声がした。


「トゥーナ様!!!!!!!!!!!!!!」


林の中からでてきたのはイコだった。


タエラ=ジーナをそれをみて、口を動かした。


「イコ……。幸せになってね。それから、こんな人間を愛してくれて……ありがとう」


ドスッ!という音がして、辺り一面に血が飛び散った。


フィンドはゆっくりとジーナから離れると、静かに言った。


「久しぶりに地獄にいけるのではないか。安らかに眠るんだぞ」