太陽の竜と闇の青年

・白虎・


シンシンと雪が降ってきた。


吐く息が白くなる。


その中で我が主の目が赤くなり、左腕は真っ赤で大きな手へと変化した。


その指の先には長い爪がのびている。


ニッと笑った口には、鋭い八重歯がみえた。


「くくくく。久しぶりだな。キル」


キル、と呼ばれた奴も同じように笑う。


「あぁ。殺し屋。人間殺しはお前を殺すためにずっとこの世をさまよっていたぞ。まさかそいつと契約を交わしているとはな」


フィンドは楽しそうに笑った。


「こいつぁなかなか見所があるぜ?そいつよりかはましな生き方をしているだろうよ」


「ほぅ。人間殺しの主人を侮辱するとは……。死ぬ覚悟はあるだろうな?殺し屋」


「それはこっちの言い分だな」


それを合図にしたかのように二人は重い攻撃をしかけた。


その速さは今までのものとは打って変わり、俺でもみたことがないほどだった。


その時、ジャリスが俺に話しかけてきた。


「長期戦になりそうですね。少し私と話をしません?」


俺はジャリスを睨んだ。


「なぜタエラ=ジーナを巻き込んだ」


ジャリスは肩を竦めた。


「巻き込んだ?違いますよ。彼女が勝手に私のことを調べ上げ、勝手に組んできたのですよ」


俺が眉をひそめたのをみてジャリスは楽しそうに喉をならした。


「彼女は黒髪ですが、翼の色は白ではありませんね。そのことで民に侮辱を受けてきたのですよ。動国は白の翼が象徴ですからね。先代の王はとても綺麗で見事な翼をもっておりました。しかし、彼女の翼は血のような真っ赤な翼。動国の人々は彼女は悪魔の子だと言い回しました。それからというもの、彼女は外へ行くことも許されず、表だけの王女へとなったのですよ」


俺はタエラ=ジーナをみた。


同盟を結ぶときはあんな血走った目ではなかった。


今のタエラ=ジーナは別人だ……。


「だが、イコがいるのではないのか?イコはアイツを尊敬していた。アイツだってイコを大切にしていただろう!」


ジャリスはポロンと竪琴をならした。


「えぇ。だからタエラ=ジーナは私にこんな条件をつけてきたのです。世界を滅ぼすとき、イコだけは助けろ、とね。無論そんなこと絶対にできませんけどね」


俺は驚いてジャリスを凝視した。


ジャリスは俺を楽しそうにみた。


「だってそうでしょう?世界を滅ぼすんですから。世界がなくなればどこに住む場所があるというのですか?」


コイツ……!!!