金目のものを、すべてサクラとラカにあずけ、私たちは和国へ一歩を踏み出した。


しかし、一番初めに見たものは和国の中身ではなく、外だ。


門が閉められていて、中に入れなかった。


「ちょっと止まってください。今からあなたたちを調査します」


門番4人がそれぞれ私たちを徹底的に調べる。


そして、問題の髪も調べられることになった。


「その、えっと……。おい、これ、何って言うんだ?」


短髪の男が、私のターバンを指さして言った。


「あぁ?それ?ボウシじゃねぇのか?」


……ボウシ?


「ねぇねぇ、ホウシってなに?」


私が、フウにコソコソ話で聞いてみると、フウも首を傾げた。


「さぁ?僕も知らないよー」


ジンもリクも知らないと言っているってことは、ここだけの言葉なんだろうか?


そんなことを思っている時、突然ターバンがフワッと取られた。


まるで、風が優しくターバンをのけてくれたように。


私たちは驚いて後ろを振り返った。


「外国には珍しい髪色の人もいるんだな。でも、おじいちゃんとかこんな髪色じゃないかな?あ、でもでも、輝いてはなかったね。まぁ、特に危険なものは入ってなかったから入れてもいいんじゃないかな?」


男は、優しく笑っていた。


女の人みたいに色が白くて、女の人みたいな顔をしている。


すると、男をみた門番がいきなりお辞儀をして威勢のいい声で言った。


「牙城様!」


牙城と呼ばれた男は苦笑して言った。


「そんなに礼儀正しくしなくてもいいよ。僕はそこまで偉いやつじゃねぇしさ。ところで、僕がいいよって言っているから、この人たち中に入れてあげなよ」


とんとん拍子に物事が進んでいくことに少しだけ驚きながらも、私たちはあっさりと中に入れた。